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医療安全Q&A
概要
当社では、病院に対して医療安全推進支援業務を長年にわたり実施しています。この支援活動を通じて病院の職員の方々から本活動にかかる様々なご相談をお受けしております。このコーナーではこれらの中でよくある質問について、リスクマネジメント活動の基本ステップに沿ってご紹介してまいります。

Q. 医療安全推進活動とはどんなことをするのか?(step1 - リスクマネジメント活動体制作り)
A. 院内全体ですぐに取り組める身近で関心が高いテーマから医療安全推進活動をスタートすることが重要です。現在多くの病院で実施している医療安全推進活動は以下のとおりです。
- 院内におけるインシデント・アクシデントレポートの取り扱いを検討
- 医療安全セミナーの開催
- 医療安全推進者の養成(養成研修の企画立案・実施)
- インシデント・アクシデント報告制度の導入
- 事故分析の検討(検討手法の習得)
- 事故防止マニュアル作成の検討
- 患者からクレームがあった時の対応
(研修会開催、講師:医療過誤専門弁護士や損害保険会社)
Q. インシデント&アクシデントレポート報告制度の導入をどのような手順で実施したらよいか?
(step2 - リスクの発見)
A. 以下の手順で実施します。
- 具体的な院内におけるレポートの取り扱いを検討する
- 報告用紙を作成する
- 記載要領を決定する
- 報告書提出ルートを決定する
- 収集した報告書を分析評価する
- 評価結果により委員会で現場への指示書を作成する
- 当該部門へ指示書に対する回答を検討する
- 回答の報告を受けた委員会で検証する
- 検証された対策を院内の該当部門へ情宣する
- 運用されている対策を定期的にチェックし運用上の問題点は逐次解決する
- マニュアルを作成する
Q. 病院の医療安全委員会の構成と実施すべき具体的業務は何か? (step3 - リスクの評価)
A. 委員会を設置する上で重要な点は、院長からの権限委譲を受けた医療事故防止に関する最高決定機関であることを院内全体に認識させることです。
具体的委員会の構成と業務例は以下のとおりです。
- 委員会運用規定(委員会の目的、管轄業務、組織、委員長の選任、開催頻度など)の作成
- 組織例(PDF形式、16kバイト)
- 委員長…ゼネラル・医療安全推進者(副院長クラスを選任)
- メンバー(委員)…医師・看護師・薬剤師および他部門責任者
- 開催頻度の決定…1回/月
- 主な委員会担当業務例(病院の事情に合わせたテーマ選択がポイント)
- インシデントレポート報告制度の導入とその分析・評価および制度の普及
- 事故防止マニュアル作成・運用
- 医療の標準化対応(クリティカルパス、医療機能評価機構の認定・ISO9001認証取得など)
- インフォームドコンセントの運用方法の検討
- 情報公開制度の対応(カルテ開示の運用、電子カルテの運用など)
- 医療従事者に対する医療安全教育・研修の企画立案(医療安全推進者養成研修含む)
など
Q.インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A. 医療安全委員会が中心となり、優先度の高い材料(インシデント&アクシデント)を選択し、検討チームを結成し、グループ討議方式で各自が気が付いた問題点・背景要因を出し合う機会を設定することが重要です。具体的分析方法の手順は以下のとおりです。
- インシデント(=アクシデント含む)情報の優先順位を検討する
- インシデント情報が不十分な事項については再度情報収集(発生時の患者情報、発生場所の情報、医療スタッフ関連情報、作業手順情報など)を行う
- インシデント情報から想定される問題点&背景要因を検討する
- 問題点を整理して特性要因図等を作成する(組織的&システム的背景要因の抽出し具体的かつ有効な改善策を見つけだす)
Q. インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A. 背景要因分析に使用するツールの例
(1)特性要因図

Q.インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A.背景要因分析に使用するツールの例
(2)ASHRM推奨の特性要因図

Q. インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A.背景要因分析に使用するツールの例
(3)SHELのモデル
| S(ソフトウェア) | マニュアル、規定などシステムの運用に関わる形にならないもの 例:職場の慣習・読みづらい説明書・新人教育・マニュアルの有無 出典:(財)日本看護協会「組織で取り組む事故防止」 (村上耕一、斉藤貞雄共著「機長のマネジメントコックピットの安全学『クルー・リソース・マネジメント』」を元に作成) |
| H(ハードウェア) | 医療機器、器具、設備、施設の構造 例:原因器材・作業台・寝衣・履き物・補助具 |
| E(環境) | 物理的環境(照明、騒音、空調)だけでなく、仕事や行動に影響を与える全ての環境 例:保管場所・業務範囲・労働条件・勤務時間・作業件数・仕事の困難さ・職場の発言のしやすい雰囲気 |
| L(他人) | 当事者以外の人々 例:事故・インシデントに関わった他のスタッフや他職種 〈心身状態・経験・知識・技術> 患者自身や家族の誘因〉 〈年齢・安静度・ADL・内服中の薬剤・疾患・身体障害・心理〉 |
| L(当事者) | 事故・インシデントに関わった本人 例:心身状態・経験・知識・技術的問題・心理的要因 |
Q. インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A. 背景要因分析に使用するツールの例
(4)4M-4E分析
| MAN 〔人的要因〕 (身体的状況、心理的・精神的状況、技量、知識) |
MACHINE 〔設備的要因〕 (医療用装置・機械・器具・薬剤容器等) |
MEDIA 〔環境要因〕 (施設環境・照明・室温等) |
MANAGEMENT 〔管理要因〕 (管理規定・監督体制・マニュアル・教育訓練等) |
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| 具体的要因 (4M) |
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| EDUCATION (教育・訓練) |
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| ENGINEERING (技術・工学) |
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| ENFORCEMENT (強化・徹底) |
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| EXAMPLE (模範・事例) |
Q. インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A. 背景要因分析に使用するツールの例
(5)その他のツール「4M分析」

Q. インシデント&アクシデントの「問題点」や「組織的&システム的背景要因」を洗い出す方法はどのようなものがあるのか?(step3 - リスクの評価 / step4 - リスクの改善)
A. 背景要因分析に使用するツールの例
(6)その他のツール「時系列分析」

Q. 事故防止マニュアルを作成したいが、どのような手順で作成し、作成されたマニュアルをどのように運用したらよいか?(step5 - フォローアップ リスクの再評価)
A. 医療安全委員会で事故防止マニュアルのコンセプト、項目を検討し、各医療現場へ情宣することが重要です。また、作成手順を具体化し、担当業務・担当者を選任することで効率的に作業が可能となります。次のような点を考慮して作成手順を検討します。
- マニュアル作成のルール作りは?
- マニュアルの項目はどのように決定するのか?
- マニュアルの作成は誰か?
- とりまとめは誰がするのか?
- マニュアル作成時の基礎情報の収集は?
(どこでどんな情報を収集するのか?作成されたマニュアルの運用方法は?) - マニュアルの遵守方法は?
- マニュアルの内容を検証・見直しする方法は?
(誰がどのようにチェックするのか)